旧交を温める。
なんと約15年ぶり。
同窓といっても、私は一般的な4月入学よりも半年遅い秋入学だったので、私はMさんの半年後輩。
したがって学位取得の時期も、私のほうが半年あとだった。
Mさんは私よりも10歳近く年下なのだが、当時、不慣れな大学院で右も左も分からない私に、親切にいろいろ教えてくださり、とてもお世話になった。
研究内容が異なり、指導教授（所属ゼミ）も異なっていたものの、普段は同じ研究室内で座席も前後だったため、図書館での研究論文や書籍の取り寄せ方法や、ネットを使用した検索などといったイロハから、研究生活を送るうえでのクエスチョンにも相談に乗っていただいた（学会発表した際の旅費精算はどうするの？といった初歩的なことまで・・）。
久しぶりにお会いして、「あぁ、大学院の時と全然変わっていない人柄のままだなあ」と思った。
もちろん、約15年ぶりなのでお互い年輪を重ねてきたわけだが、それでも面影は残っているし、明るいところ、ポジティブなところはまったく変わっていない。
笑顔なんて当時のままなので、こっちまで嬉しくなった。
Mさんは大学院を修了後、県内では誰もが知っている優良企業に入社し、現在では管理職になられていた。
修了したあとも、今まで本当に頑張ってこられたんだな、と思うと本当に嬉しい。
Mさんの指導教授も、傘寿を過ぎ現役を引退なさった現在もお元気でいらっしゃることを伺い、当時を懐かしく思い出す。業績も豊富で品格もおありのご立派な先生でした。
その当時の私といえば大学を卒業して10年間社会人として組織で働いていたが、その間に社会を取り巻く環境の変化や流れの速さに遅れまいとする反面、30歳を過ぎて再び学問の扉を叩けたことに大きな喜びも感じていた。
夜間に開講される講義だと、終了するのが毎回21時を過ぎていたため、心地よい疲労感と共に、「あぁ、今日も疲れたぁ」などと皆で話していたことを、懐かしくも鮮明に覚えている。
大学院での在籍はたった2年間だったが、さまざまな年齢、さまざまな国から学生が集まってきたので、学問だけでなく、それ以外でも、自分の中の視野を広げることができた。
以前にも、どこかの文章で書いたことがあるが、在学中に感じたことの一つに、日本・日本人（の若者）は、世間一般に考えられているよりも能力も意欲もあり強いのだな、と感じたものだ。もちろん自信過剰は禁物だが、諸外国との競争を必要以上に恐れることもない。
院生の頃、あまり素行の良くない外国人留学生を私がときどき一喝していたことを、Mさんが今でも覚えていたのには参ったが（笑）
もちろん、優秀な外国人留学生も多く、普段から数カ国語を自在に操りながら研究生活を送っている人もいた。
若くして起業し自治体とコラボしながら街の活性化に取り組んでいる努力家の院生もいた半面、やっぱり幽霊院生もいた（笑）。
ただし、幽霊のまま学位が取れるほど大学院は甘くない。
その当時の若者が、時が流れたいま、今後さらに社会の中枢として活躍の場を広げていくのだろうな、と考えると感慨深い。
懐かしさとともに、もっともっと頑張らねば、と思った。
そして、ちょうどMさんが修了された春に、入れ違いの形で入学された、公立高校で教諭をされていらっしゃるT先生も、私にとって非常に思い出が深い。
逆にT先生は私よりも年上で、一応、大学院では先輩だった私も、さまざま会話を通して、成長を促していただいた。
お互いに大学院を修了した後も、仕事を通して長い間お付き合いさせていただいたことを今でも感謝している。
もちろん、私の指導教授からも、私の中の良い（と思われる）部分を引き出してくださり、いろいろ気づきを与え、多くの成長を促してくださったことを今でも感謝している。
先生と私の師弟関係は、大学院を修了してからも決して絶えることなく続いており、そして、人生において心の羅針盤となっている。
だから、私は常に自分の行動が師の恥とならないように気を配り、師に恥じない行動をとらなくてはいけない。
と、ひそかに思っている。
Mさんとの思いがけない再会で、学問だけではとどまらない人とのつながりって、非常に大切で貴重なものであるいうことを再認識できた。
古い友人との友情を保つために、自分なりに出来ることはなんでもしよう、
午後の蒼い空を見上げながら、そう思った。
※画像は大学院時代の私の研究ブースの机です（2005年ごろ）
2021.3.7
2021年03月07日 18:14
