デイサービスひより 石川県白山市 

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しゃちょの読書日記【社長ブログ更新しました】

どうしても仕事以外の読書は寝る前の限られた時間になってしまうが、ここ最近読んだものは以下の本(一部を抜粋)。
 
今井眞一郎「開かれたパンドラの箱 廊下・寿命研究の最前線」(朝日新聞出版)は、ワシントン大学医学部教授で抗老化研究の第一人者である著者が、哺乳類の老化・寿命の制御のメカニズムの解明および科学的基盤に基づいた方法論について記述したもの。
結論から言ってしまえば、抗老化のメカニズムについては劇的に、とはいかずとも確実に研究・解明が進んでいるものの、実際に不老不死のメカニズムが解明されるのはずっと先になるであろうということ。
少なくとも私たちが生きている間には不老不死の妙薬が実用化されることはないだろう。
始皇帝が不老長寿の薬を求めて、かえって早死にしてしまったという逸話の通り、世界中いたるところにこの手の話がある(蓬莱の国へ行き仙薬を持って帰って来いと命令したとか、3000年に一度だけ実る西王母の仙桃を食べれば不死になれるという東方朔の伝説とか、竹取物語に出てくる不老不死の薬とか、こっち方面の話のほうが個人的には医学的云々よりも大いに興味あり)。
しかし、感想としては身も蓋もないが、やはり適度なカロリー制限、遺伝子要因、感染症リスク、激しすぎない運動など、当たり前といえば当たり前のことが抗老化(いわゆる長生き)にとって最も重要なのではないかと感じる。あとは「運」次第ということもないとは言えない。
現在の新型コロナウィルス感染症が全世界的に蔓延しているような状況では、体の防御力を高めるための努力は非常に重要で、このような状況では「ちょっと小太り」のほうが有利に働くとか・・。ただ、メタボと呼ばれる状態では病気になる確率が上がるので、「カロリー制限」の匙加減がポイントになりそうな感じがした。
健康について改めて考えるいい機会になった本である。
この本を読んだ(ことも関係して)早速5kgのダイエットに成功したことが、この本を読んでの一番の収穫だったかもしれない。。 

ジェラルド・グローマー「瞽女うた」(岩波新書)は、これまで聞いたことはあったものの、この本を読んでみて初めて知ったことが詳細に書かれており、私(たち)の世代には新鮮な驚きの本である。
瞽女(ごぜ)さんとは、家々を巡り歩き三味線伴奏で歌う盲目の女旅芸人のことである。
かつては日本全国に見られたが、現在、その姿は失われて久しく、録音や映像もほとんど残っていない。本書では幕末~明治以降の越後瞽女と呼ばれたプロ芸人が、他の芸人から万歳、民謡、流行歌、瑞唄を覚え、長唄、浄瑠璃のさわりを習い、仏教色の濃い和讃まで習得したという内容を、芸能者の生業と組織、迎え入れた社会、歌を聴くとき文化の変容、どのように成立、展開、発展、衰微した過程を見つめなおし、さらに、それがどのような社会的環境に生まれ、いかなる演奏基準を前提にしていたのか、どのような期待と感覚に応えていたのかという問題にまで検討を加えている。
瞽女さんは昭和中期まで存在していたというから、実はそれほど遠い昔の話ではない。
 
ドニー・アイカー「死に山」(河出書房新社)は、現在でもその謎が解明されていない、旧ソ連の「ディアトロフ峠事件」の全貌と真相に迫った、エキサイティングな本。350ページもあるので途中疲れるかなあと思っていたが、何のことはない、とっても面白くてページを読む手が止まらなかった。
「ディアトロフ峠事件」とは、1959年、冷戦下の旧ソ連・ウラル山脈で実際に起きた遭難事故のことで、登山チーム9名はテントから1㎞程離れた場所でこの世のものとは思えない凄惨な死にざまで発見された。
ほぼ全員が、氷点下でろくに衣服をつけていなく凍死しており、全員が靴を履いておらず、うち3人が頭がい骨骨折、また、女性メンバーの一人は舌を喪失、他の遺体からは異常な高濃度の放射能が検出された。
最終報告書は「未知の不可抗力によって死亡」と語るのみ。地元住民からは「死に山」と名付けられ、事件から60年を経てもなおネット上で話題になり、私たちを翻弄し続けている。
この謎に満ちた、謎だらけの事件の結末に、アメリカ人の映画作家が挑む。
これは果たして雪崩や吹雪によるものなのか、殺人事件か、脱獄囚の攻撃か、衝撃または爆発によるショック死か、UFOあるいは宇宙人による事件か、凶暴なクマによる襲撃か、それとも異常竜巻の現象か・・陰謀論や偽情報の網の目をかいくぐり、筆者がたどり着いた真相やいかに。
 
「パルプフィクション」(1994年)を久しぶりに観る。
公開当時はクールな映画だった・・ような・・記憶がある1本。
私の大学生時代に上映されていた作品であり、「サタデーナイトフィーバー」(1977年)が出世作となったJ・トラボルタがその後の長い低迷期から見事に復活した映画。
監督は、「キル・ビル」等でおなじみのタランティーノ。
いくつかのエピソードを、時系列をバラバラにして組み合わせていく手法は、当時は新鮮といわれていた。
今観ても最初から最後まで登場人物全員クセが強すぎる(笑)

強烈な個性を持つ俳優陣が、強烈な雰囲気と音楽の中で強烈なセリフを放つ、印象的で面白い作品。
くだらない、の一言で終わらせるのはあまりにももったいない。


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2021年09月23日 20:13
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