デイサービスひより 石川県白山市 

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「ちえなみき」——四半世紀越しの再会のような場所【ブログ更新しました】

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知る人は皆さん知っているが、今から25年前、私は転勤でこの敦賀に数年間暮らしていたことがある。
その当時も、日々仕事に追われ、若かった分、心の余裕も今ほどではなかったが、
もしこの「ちえなみき」があったなら、間違いなく毎週のように足を運び、書棚の間をそっと徘徊していただろう。
財布の紐は、今以上に緩んでいたに違いない。


先日、福井県敦賀市の「ちえなみき」を訪れた。
書店とカフェ、イベントスペースが一体となったこの建物は、静けさと整いを感じる空間。

建物に足を踏み入れると、曲線を描く木の書棚が穏やかに配置されている。

書籍はジャンルではなく“問い”によって並べられ、「社会とどう向き合うか」「未来を誰がつくるのか」など、
読むだけでなく考えることを促す選書がなされている。
一冊一冊が、確かな目利きの手によって選ばれていることは間違いない。
どの本も「ここにいる理由」があるように思える。

この独特の構成は、思想家・故松岡正剛氏が率いた編集工学研究所の手によるものだという。
運営には、学術分野に強い丸善雄松堂も参画している。
選書と空間、実務と思想が絶妙に組み合わさった施設である。

館内には小さな読書スペースがいくつもあり、どの席にも落ち着きがある。

併設の中道源蔵茶舗
カフェでは、抹茶ソフトをいただいた。
抹茶の香りとミルクのやさしさがほどよく調和している。
読書の手を休め、外の芝生を眺めながらソフトクリームを味わう時間が、これほど贅沢なものだったかと、思わず小さく頷いてしまった。


この「ちえなみき」は、公設民営型書店として、敦賀市が施設を整備し、民間が運営を担っている。
地方で書店が次々と姿を消すなか、こうした文化拠点が自治体と民間の連携で維持されていることは、実に意義深い。

 

経営の現場にいる者としては、この空間を維持し続ける苦労も想像できる。
人件費、運営コスト、日々の判断……。
しかし、こうした場所が地域にあることを、今はただ素直に喜びたい。

 

私が敦賀で過ごした時代にはなかったものに、いま出会えた。
それが少しだけ悔しくもあり、「時を越えての再会」とも呼びたくなるような、不思議な縁。

ある意味、現時点での“もっとも実験的で尖った書店”が敦賀の街に誕生したのではないか、
そんな気さえしてくる空間である。

財布の中身が心配になったのは久しぶりの感覚であり、買いすぎ注意報が発令されたことを、ここに静かにご報告しておきたい。

そしてふと、私が尊敬してきた渡部昇一さんや立花隆さんが、もしこの場所を訪れていたら、
どんな感想を語られただろうか、と考えてしまう。
きっと、この問いを軸にした書棚の前で、それぞれが独自の見解を語る。
私もその会話にぜひ耳を傾けてみたかった。

 

本と向き合いたいと思ったとき、この場所はきっとまた私を呼ぶことだろう。

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2025年06月30日 12:54
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